ラミレスが2021年のセ・リーグを総括。ヤクルト優勝、阪神失速の理由、来季のサプライズチームを語る (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【鈴木誠也の代わりはいる?】

――借金1ながら、シーズン3位となった読売ジャイアンツについてはいかがでしょうか?

ラミレス 開幕早々、新外国人のエリック・テームズが故障離脱したことで、いろいろと破綻が生じてしまいましたが、ジャスティン・スモークが在籍している間はチームとしての体(てい)をなしていました。でも、彼は家庭の事情でアメリカに帰国してしまった。両外国人選手の不在をベテランの亀井善行で補うのはちょっと無理があったし、現実的には難しかったと思いますね。その分をゼラス・ウィーラーがよく頑張ったけど、彼が調子を落とし始めた頃から、巨人の停滞も始まっていきました。

―― 一方で、岡本和真選手、坂本勇人選手はともに実力どおりの成績を残しました。

ラミレス 結局、今年も坂本と岡本頼みで、このふたりがチームを引っ張っていったけれど、それを支えるべき外国人は機能せず、シーズンを通しての丸佳浩の不振も痛かった。投手陣は、クローザーが固定できなかったのも大きかったですね。ヤクルトはスコット・マクガフ、阪神はスアレスがいた。クローザーの差が、順位の差になったとも言えるんじゃないでしょうか。

――シーズン終盤に強烈な追い上げを見せた広島東洋カープはいかがでしょうか?

ラミレス 前半、中盤までの戦いぶりを見ていたら、シーズン終盤のあの追い上げを予想できた人は、私を含めて少なかったと思いますね。それが可能になったのは、絶対的なチームの中心である鈴木誠也の存在があったから。まだ確定していないですけど、彼が来年アメリカでプレーすることになれば、その穴はあまりにも大きい。来年の広島はかなり苦戦すると思います。

――鈴木誠也選手の抜けた穴を埋める存在は誰が適任でしょうか?

ラミレス いないです(キッパリ)。現実的には、新外国人選手で何とかやりくりするしか方法はない。あれだけの選手の穴はそう簡単には埋まらないですから。阪神を退団したばかりのサンズなら25~30本塁打は期待できるので、ちょうどいい補強になると思いますけどね。いずれにしても、2022年シーズンは佐々岡真司監督の覚悟が問われるシーズンになるでしょう。

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