2021.12.12

オリックス戦力外の4投手はなぜトライアウトで圧巻のパフォーマンスを披露できたのか

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Murakami Shogo

 2018年のドラフト会議で26歳にしてドラフト3位指名を受けて入団し、今年でまだ3年目。今季は故障に加え新型コロナに感染する不運もあり、本人は「チャンスが全然もらえなかった」と不完全燃焼だった心境を明かした。

 社会人時代のスリークオーターからサイドハンドまで角度を下げ、シュート成分の強いストレートやシンカー、横滑りするスライダーと横の変化で勝負する。ブルペンに置いておきたい個性だろう。

 4番目に登場した吉田一は、角度とリリース感覚のよさを見せた。結果的にオリックスの単独1位指名になったものの、2013年ドラフト時は松井裕樹(楽天)や大瀬良大地(広島)とともに目玉格と騒がれた逸材だ。プロ入り後は先発投手としては結果を残せなかったものの、リリーフとしては2016年と2018年に21ホールドをマーク。プロ8年間で226試合登板、18勝20敗、55ホールドの実績がある。

 この日の球速は最速142キロに留まったものの、しっかりと指にかかったストレートは球速表示以上の加速感があった。高橋大樹(前・広島)のバットを折る三塁ライナーなど、2つのアウトを奪った。四球を1つ与えたように制球はやや荒れ気味だったが、本来はコントロールで苦労するタイプではない。来季で33歳になる年齢とはいえ、衰えは感じさせなかった。

 トライアウトを視察した新庄剛志監督(日本ハム)は、気になった選手として金田の名前を挙げている。

「ピッチングのリズムのよさと、真っすぐのキレ。でも、僕はよく知らないんですけど、たぶんここにいるということは、変化球でストライクが取れずにストレートで勝負して打たれてしまうピッチャーだったんじゃないのかな。そこを修正できれば、面白いピッチャーになると思います」

 それぞれに個性と持ち味を発揮したオリックスの右腕四人衆。彼らの熱意と能力が誰かの心を動かし、新たな道を拓くことを願ってやまない。

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