野村克也が好きだった「超二流」のヤクルトV戦士。土橋勝征が「怒られているのを見たことがない」 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【何もかも正反対だった土橋と飯田哲也】

――さて、前回のラストでは「同期の飯田哲也とは正反対だ」とおっしゃっていました。そのあたりを詳しく教えてください。

八重樫 土橋も飯田も、ともにドラフトの同期入団で、しかも2人とも千葉出身の高卒ルーキーでしたよね。

――お2人とも1986(昭和61)年のドラフトで、土橋さんが2位、飯田さんが4位指名されています。土橋さんは印旛高校、飯田さんは拓大紅陵高校出身で、高校3年夏の千葉県大会では決勝戦で対戦。飯田さんが所属する拓大紅陵が春夏連覇で甲子園に出場していますね。

八重樫 おそらく、高校時代からしのぎを削っていた仲だと思うけど、それぞれの性格は正反対です。土橋は内面を表に出さずに淡々とプレーして、黙々と練習するタイプ。一方の飯田は明るい性格で、どちらかというと天性の素質でプレーするタイプですからね。

――おっしゃる通り、おそらくファンの間でも、「天才型」の飯田さんと、「努力型」の土橋さんというイメージはあると思います。

八重樫 そのイメージ通りですよ。飯田は天性の運動神経でプレーしていましたから、体が動くうちはいいけど、年齢を重ねて故障が増えた時に急に成績が下降するタイプだと思うんです。実際に現役晩年になってから、いろいろ僕のところにも指導を求めてくるようになりました。若い頃はほとんど聞く耳を持っていなかったけど(苦笑)。

――土橋さんについては、「早出練習のさらに前から練習をしている」ということでしたね。

八重樫 土橋はそういうタイプでしたね。プロだからそれぞれの考え方、やり方はあってもいいけど、個人的には土橋タイプのほうが長くプレーできるし、安定した成績も残せるとは思いますけどね。

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