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巨人のドラフトの課題は5年後のチームビジョンか。市和歌山のバッテリーがオススメ (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 将来のバッテリーを獲得できれば、3位以下は投手陣の強化に努めたい。3位以下で即戦力はなかなか難しいが、知名度はそこまで高くなくても実力派の投手は多い。

 京都産業大の北山亘基(右投右打)、日本大の赤星優志(右投右打)、法政大の三浦銀二(右投右打)は、いずれもチームを背負い、2、3年とコンスタントに働いてきた"快腕"たちだ。経験値の高さは、強力な実戦力となってチームを救うはずだ。

 また社会人では、つい先日の都市対抗予選でENEOS相手に4安打完封、10三振を奪った東芝・吉村貢司郎(右投右打)の勢いも十分に評価できる。

 7回まで0対0の緊迫したゲームで、10奪三振のうち空振りが8個というのは、いかに生きたボールを投げていたかを証明している。本大会出場をかけた大一番でベストピッチができるというのは、たしかな実力が備わっていなければできないことだ。

 今年の春季キャンプで、身長200センチの秋広優人が注目されたが、いまの巨人にはスケール感のある選手がほしい。

 横浜商科大の飯田琉斗(投手/右投右打)と神奈川大の梶原昂希(外野手/右投左打)は、ともに身長188センチと育て甲斐のある選手だ。

 すでにリーグ戦で何度も150キロ台を何度もマークしている飯田は、落ち着いて打者と勝負できている時は手も足も出ないが、不安定なピッチングも多い。ただ、指にかかった時のストレートの迫力とフォークの落差は一級品で、モノになった時の期待値は計り知れない。

 梶原は、タイミングが合った時の飛距離は横浜スタジアムの右中間上段に軽々と運ぶが、相手投手の球筋がつかめないと同じ球種で三振を重ねてしまう。これだけのサイズがありながら、50mを5秒台で走り、守備範囲も広い。糸井嘉男(阪神)や柳田悠岐(ソフトバンク)のような選手になれる資質を秘めている。

 巨人が育成力をアピールしたいのであれば、ぜひともこうした選手を一人前にしてほしいと思う。

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