立浪和義が「守備は私より格段に上」と絶賛する新人。阪神・佐藤輝明のスランプにはアドバイス
立浪和義インタビュー 後編
注目の若手野手と阪神・佐藤のスランプ
今シーズンのプロ野球は、各球団とも若手の台頭が目立っている。そのなかで、立浪和義が注目する選手は誰なのか。また、セ・リーグの新人王候補筆頭だった阪神のルーキー、佐藤輝明のスランプについても言及した。
前半戦で大活躍も調子を落とし、現在は二軍で調整する阪神の佐藤この記事に関連する写真を見る***
――今季もシーズン終盤に入ってきましたが、立浪さんが特に成長を感じる若手の野手はいますか?
「パ・リーグの7、8月度の月間MVPを受賞した、ロッテの藤原恭大選手です。残念ながら現在は(左ふくらはぎの打撲で)選手登録を外れていますが、優勝争いをするチームに勢いをもたらしました。
彼については、大阪桐蔭時代から『走・攻・守で、選手としてできあがっている』と思って見ていました。特に打撃ではインコースの速いボールを捌けていたので、あとは変化球などに慣れてくれば活躍できるだろうと。苦しい時期もありましたが、3年目にして真価を発揮しているように感じます」
――パ・リーグでは、育成出身のソフトバンク4年目、リチャード選手も台頭してきました。
「お父さんがアメリカ人ということもあってか、パワーはものすごいですね。一方で、日本人選手が得意とするタイミングを合わせる能力も兼ね備えている。気になる点は、スイング時に肘が体から離れてしまい、バットが遠回りしてしまう点。もう少し肘が体の近くをとおり、グリップからバットを出せるようになると、確率も上がってくると思いますよ」
――ロッテの藤原選手と大阪桐蔭時代の同級生で、やはり開花が待たれる根尾昂選手のことはどう見ていますか? シーズン前のキャンプでは中日の臨時打撃コーチとして、2年目の岡林勇希選手らとともに指導をされていましたが。
「2年目の岡林選手は一軍でのチャンスが少ない(5試合に出場)のに対し、根尾選手はある程度の機会をもらいながら結果がついてきていませんね(67試合に出場し、打率.169)。まだスイングの形ができていないのに、長打を狙い、上を見るような形でバットを振ってしまっています。
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