理論派・秦真司が選ぶ侍ジャパン最強布陣。佐藤輝明は何番で起用?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 東京五輪が予定どおりに開催されれば、野球競技は7月28日からオープニングラウンドが始まる。そこでスポルティーバでは、鋭い視点を持つ野球評論家に「最強の侍ジャパン」を選んでもらった。今回登場するのは、ロサンゼルス五輪金メダリストの秦真司氏(元ヤクルトほか)。

 中日や巨人のバッテリーコーチとしても辣腕を振った理論派が、緻密な計算に基づいて24名のメンバーを選出した。

ルーキーながら、ここまでセ・リーグ3位の本塁打を放っている佐藤輝明ルーキーながら、ここまでセ・リーグ3位の本塁打を放っている佐藤輝明 選手を選考する際に大事なのは、能力的にベストメンバーを組むのか、それとも敵との適性を見てメンバーを選ぶか。しかし、今回の東京五輪は相手のことがほぼわからないと見るべきでしょう。現段階での国内の最高メンバー、しかもシーズン中の招集なので特定のチームの選手に偏らない布陣が理想的です。

 また、短期決戦なので実績以上に調子がよく、勢いのある選手を選びたいところです。野手陣はあまり迷わずに選べたのですが、投手陣は人選に悩みました。

【先発投手】
柳裕也(中日/右投右打)
山本由伸(オリックス/右投右打)
則本昂大(楽天/右投左打)
高橋光成(西武/右投右打)
宮城大弥(オリックス/左投左打)

【中継ぎ&第2先発】
大野雄大(中日/左投左打)
青柳晃洋(阪神/右投右打)

【抑え】
平良海馬(西武/右投左打)
松井裕樹(楽天/左投左打)
栗林良吏(広島/右投右打)

 先発陣の中心として最初に選んだのは、柳と山本です。柳の球質や今の状態のよさ、山本のいざという時はリリーフもできる能力を考えると、彼らが日本の二枚看板になるのではないでしょうか。

 さらに復活してきた則本、ゲームメーク力の高い高橋も先発候補に。左投げの先発がほしいので、宮城を選びました。

 とはいえ、コンディション的に間に合えば菅野智之(巨人)や田中将大(楽天)もメンバーに入ってもらいたいところです。菅野は気持ちが強く、好不調にかかわらず試合を作ってくれる。田中は今季状態が今ひとつ上がってきませんが、外国人の強打者との対戦イメージが湧く人材は貴重です。則本昂、高橋らの状態を見極めながら、最終的に誰を入れるか判断したいところです。

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