稲村亜美流のプロ野球の愛し方。「あれはエグい」と気になる若手選手は? (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

 プライベートでも時間を見つけては野球観戦に出かけていた。お気に入りのスポットは、神宮球場の三塁側スタンドだという。

「ブルペン横の席が比較的安く買えるので、よく座ります。ヤクルトの対戦チームのピッチャーがブルペンで準備する姿が見えるのがいいんです。『次はこのピッチャーがいくのかな?』と思ったり、選手間で水を渡すシーンが見られたり。プロってこんなことをするんだなぁと実感できる席だと思います」

「12球団がフラットに好き」とプロ野球愛を語る稲村さん「12球団がフラットに好き」とプロ野球愛を語る稲村さん そんな稲村さんも、2020年は一度も野球場での観戦ができなかった。各球団が段階的に観客数を増やしていっても、野球場へと足を踏み出せなかった。

「球場では各球団が万全な感染対策をしてくださっていますが、私の場合は仕事柄、何かあってからじゃ遅いので。もし『球場に行っていたのにコロナに感染した』とニュースになってしまったら、私だけの問題ではなく野球界に迷惑がかかってしまう。そうなるのが怖くて、球場に足を運べませんでした」

 野球場ならではの開放的なライブ感を楽しんでいた稲村さんだが、昨年はテレビ観戦しか楽しめなかった。そうした日々が続くなか、ふと我が身を振り返り、こんなことに気づく。

「去年の私は、野球界に全然お金を落とせなかったな」

 野球場に行きたくても行けない。大好きなプロ野球のために自分ができることは何かないのか。自問自答して始めたのが、「#グッズ購入でプロ野球開幕祈願」の投稿だった。

「コロナがどうなるかわからない状況で、まだ球場に行くのが怖いという人もいると思うんです。だからこそ新しい観戦スタイルも必要になってくるので、野球グッズを買って"おうち観戦"でも気分を高められたらいいなと」

 大好きなマスコットキャラクターの関連商品など、グッズは自腹で購入しており、「本当にお金がかかるんですよ!」と稲村さんは笑う。球団によってメイクやヘアースタイルも変え、自分でライトを焚いて撮影する。3月16日現在、ヤクルト、オリックス、広島、日本ハム、DeNA、楽天の6球団分のグッズ写真投稿を終えた。ファンからの反響も上々で、「早くウチの球団グッズも載せてください」といったリクエストも届く。

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