ラミレスは断言「セ・リーグにDH制は必要ない」。ならば格差をどう埋める? (4ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【セ・リーグ各球団のドラフト戦略の見直しを】

 ここまで聞いてきたように、ラミレス氏の中では「両リーグ間の格差は存在する」という前提があり、「パ・リーグはセ・リーグの5年先を進んでいる」と考えている。さらに、「このままではセ・リーグはパ・リーグに追いつけない」というのがラミレス氏の持論だ。では、今後、どうすれば両リーグ間の格差は縮まるのか? そんな問いを投げかけると、まずは「ドラフト指名」について、ラミレス氏は語り始めた。

「私が現役だった頃と比べても、パ・リーグのパワー対パワーの野球は年々、進化しています。これまで何度も言ったように、その根本にあるのは、パ・リーグには150キロを超えるボールを投げられる投手が多いことにあります。これは偶然なのかどうかはわからないけど、スーパースターと呼ばれる好投手たちは、なぜかパ・リーグに多い。これは、ドラフト戦略も関係している問題だと思います」

 ラミレス氏は、このように指摘した上で、さらに続ける。

「セ・リーグ各球団も、積極的にアマチュアのスーパースターたちを指名していく必要があると思います。昨年ロッテに入った佐々木朗希投手、今年楽天に入った早川隆久投手など、これからの活躍が期待される投手たちが、やはりパ・リーグに集まっています。すぐに結果が出る解決法ではないけれど、長い目で見たドラフト戦略の見直しも、セ・リーグの各球団には求められていると思いますね」

 そして前編の記事で述べたように、セ・リーグの各捕手も、「もう少しインコースのサインを出すように」とラミレス氏は提言する。

「セ・リーグ各チームのキャッチャーのような、アウトサイド一辺倒の配球も見直す必要があると思います。スピードボールを投げられる投手がいないから、内角のサインを出さずに外角でかわすピッチングばかりしていると、投手のレベルも、打者のレベルも上がらないし、交流戦ではパ・リーグの各打者に狙い打ちされます。初めは勇気がいるかもしれないけれど、内角をきちんと攻める。そんな配球も必要だと私は思います」

 前述したように、パ・リーグが導入している「DH制」により、強打者がズラリと並ぶことでリーグ全体の投打のレベルが上がったことは認めつつ、「セ・リーグはDH制を採用する必要はない」とラミレス氏は言う。改善すべき点は改め、残すべき点はきちんと存続させる。その上で、両リーグの実力が均衡になるように各自が努力していく。そんな持論を展開したラミレス氏は最後に笑顔で言った。

「まだまだ考えるべきこと、取り組むべきことはあるけど、こういうことをみんなで考えるのはとてもいいこと。こういう議論なら、あと5時間ぐらいはできるよ(笑)」

(了)

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