トラの新助っ人、気になる弱点。韓国プロ野球関係者が語るマジの実力 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Kyodo News

 一方のアルカンタラも、昨シーズンはリーグ最多の20勝、防御率2.54(4位)と好成績を残した。持ち球はストレートとスライダーとスプリット。ストレートの最速は153キロだが、制球力のよさを武器とする先発タイプだ。

 前出のデータ担当者は、アルカンタラが勝てる投手になった理由について、次のように語った。

「一昨年あたりはとくにインパクトのない投手でしたが、昨年はアウトコースへの制球に磨きがかかり、面白いように打ち取れるようになりました。それにフォームも一昨年はいわゆる"イチ、ニのサン"で投げていたんですが、昨年に"イチ、ニーのサン"とタメができるようになったんです。それが打者のタイミングを狂わせ、差し込めるようになりました」

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 ただし不安要素もある。データ担当者が続ける、

「持ち球はスライダーとスプリットですが、スピード差がほとんどなく曲がりも小さいので緩急がつけにくい。自分のリズムで投げられている時はいいけど、それができなければ普通のピッチャーになってしまう。日本でも活躍できる要素はあると思うけど、2年続けていいピッチングができるのかどうか。そこもちょっと疑問です」

 前出のコーチに、アルカンタラが日本で成功するポイントについて聞いてみた。

「外の真っすぐが基本で、あまり内角を突いてこない。内角への見せ球をどこまで使えるか。あとは変化球をどれだけ低めに投げ切れるかでしょうね。日本で結果を残すポイントはこの2点ですね」

 そしてこう結んだ。

「スタミナがあるからイニングは消化してくれると思いますが、10勝すれば10敗する。そういうタイプの投手ですね」

 ともにコロナの影響によって来日は大幅に遅れている。ただでさえ今シーズンは調整に苦慮しそうだが、はたして"トラの新助っ人"の活躍はいかに......。

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