廣岡達朗がセ・パ格差議論に苦言「見誤ると本質が見えてこなくなる」 (4ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

 そして、あらためてセ・リーグの歩んできた道のりについて廣岡氏は言及する。

「結局、セ・リーグというのはこれまですべてが巨人任せ、巨人頼みだったんですよ。それに対して、『セ・リーグに追いつけ、追い越せ』と頑張ってきたのがパ・リーグなんです。こうした積み重ねがあって、パ・リーグの現在がある。その点をきちんと評価せずに、"両リーグ間格差が大きい"とか、"DH制を導入しないと差が開く一方だ"と慌てるのは意味がない。その点でも、コミッショナーの役割は大きいんだけれどね......」

 次回、後編は「コミッショナーの役割」、さらに廣岡氏が考える「巨人とソフトバンクの差」、そして「原辰徳と工藤公康」について言及したい。

【profile】 
廣岡達朗 ひろおか・たつろう 
野球評論家。1932年、広島県生まれ。呉三津田高、早稲田大を経て、54年に読売ジャイアンツに入団。同年、新人王を獲得し、ベストナインに選ばれた。66年に引退。76年にヤクルト・スワローズの監督に就任し、78年に球団初の日本一に導く。82年には西武ライオンズの監督となり、4年間で3度のリーグ優勝、うち2度の日本一と西武の黄金時代を築いた。92年に野球殿堂入りを果たした。

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