2021.01.11

菅野智之の巨人残留はプラスになるか。MLBの代理人が挙げた3つのポイント

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 今回の交渉期間中、報道によれば菅野は2年前にマリナーズに入団した菊池雄星の4年5600万ドル(約58億2000万円)と同等かそれ以上の条件を望んだが、現地のニュースでは「各チームからのオファーはそれに届かなかった」と伝えられた。前述どおり、各チームの財政難を考えれば、31歳の菅野との高額な複数年契約を結ぶことが躊躇(ためら)われたのも理解できる。

 しかし、1年後には状況が変わっているかもしれない。来オフにはジャスティン・バーランダーとザック・グレインキー(ともにアストロズ)、クレイトン・カーショウ(ドジャース )、マックス・シャーザー(ナショナルズ)といったビッグネームがFA市場に登場することが予想される。パンデミックが終わっていれば、そこで一部の有力チームが財布の紐を緩める可能性は十分にある。

 買い手市場となれば、トップレベルの選手の値段は今季よりもアップする。菅野も魅力的な素材と目されるはずで、年齢的に4年以上の契約は難しいとしても、1年ごとの単価が上がっても不思議はない。

【代理人が挙げたメリット②】
「1年後の菅野はポスティングシステムを通じてではなく、FA選手としてマーケットに出てくることも大きい。交渉期間に縛りがなく、譲渡金の分の費用が削減できることは契約にプラスに働くだろう」

 1月3日、巨人が「1年ごとにオプトアウト(契約破棄条項)が付与された4年契約」という好条件を菅野に提示した、というニュースが米メディアで伝えられた。つまり、一旦はNPBに戻っても、9シーズン目を終えて海外FAの権利を有することになった菅野が望めば1年後にFA選手としてマーケットに戻ってこられる、ということ。

 その際には、ポスティングの30日間という交渉期間、譲渡金もなくなり、よりフェアなオファーが期待できる。渡米という人生最大の決断をするにあたり、納得がいくまで交渉ができるのはプラス材料だ。