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菅野智之の巨人残留はプラスになるか。MLBの代理人が挙げた3つのポイント (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

【代理人が挙げたメリット③】
「2021年12月、現在のメジャーリーグの労使協定が期限切れを迎える。新労使の交渉は難航が必至。ストライキやロックアウトも十分に考えられる。そうなった場合、特に海外選手には厄介。菅野は渡米を来年以降にしたことで、労使交渉の行方も見ながら対応できる」

 昨夏、パンデミックで開始が遅れたシーズンの開催時期と試合数を巡り、リーグと選手会の話し合いが難航したことは記憶に新しい。そこで双方の間に不信感が生まれたため、新労使協定の締結に向けた話し合いも一筋縄ではいかないと見ている関係者が多い。期間は定かではないが、前出の代理人の言葉どおり、一時的にリーグの動きが止まることはあり得るだろう。

 菅野が今オフにメジャー入りしていたら、1年後、労使のもつれによってシーズンやキャンプ期間の一部を失うことも考えられた。しかし渡米を先延ばしにしたことで、よりフレキシブルに対応できる。もちろんストライキやロックアウトがあれば、メジャー入りがさらに遅れることにもなりかねないのだが、少なくとも自らの意思で動ける立場でいられることはポジティブに捉えていいだろう。

 プロアスリートには故障や不振がつきものであるため、メジャー入りを遅らせることにはリスクもある。来季以降に好条件で渡米するためには、2021年も健康体で優れたパフォーマンスを見せるのが必須条件。

 今年に菅野がそれをやり遂げれば、代理人が挙げた3つの要素から、"夢"を先送りしたことがキャリアにプラスに働く可能性は十分にある。1年後、そんなシナリオは現実になるのか。

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