杉谷拳士、増田大輝、周東佑京...
秦真司が語る「便利屋」の生きる道 (4ページ目)
私もバッティングを評価されてレギュラーを獲得しましたが、転機は古田(敦也)が入団した1990年でした。当時の野村(克也)監督から「古田は打てなくても使う。おまえはバッティングがいいから、そこを生かせ」と、コンバートを打診されました。シーズン中のことで不安でしたが「試合に出られるのなら出たい。レギュラーとして優勝したい」と、思い切って外野手に転向したことでレギュラーになれたので、後悔はしていません。
キャッチャーは「フィールド上の監督」と言われるくらい特殊なポジションです。小さい頃からこだわりを持ってプレーしてきた選手からすれば、そう簡単にコンバートを受け入れられないでしょう。それは、ほかのポジションにも言えることだと思います。
しかし、プロはあくまで試合に出て、活躍してなんぼの世界です。チームの意向に沿い、まずは他のポジションで結果を残す----。そういった献身的な選手が増えれば、互いに刺激し合うことでレベルの高いチームが生まれる。そして、ペナントレースでもより熾烈な優勝争いが見られるのではないでしょうか。
4 / 4