原巨人、第3戦はスタメン変更か。OBが指名する巻き返しのキーマンは? (2ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Sankei Visual

 僕が第2戦を見たなかで、第3戦以降に「ポイントとなるかもしれない」と感じた選手が、2番を打つ松原(聖弥)選手です。

 この試合では4打数ノーヒット、2三振でしたが、凡打の2打席の内容がよかった。3回の第2打席で、石川投手の内角高めのストレートを振り抜き、ファーストへの強いゴロを打っています。また8回の第4打席、身長193センチの杉山(一樹)投手との対戦でも、結果はライトフライでしたが、角度のある154キロの高めストレートをしっかり捉えていました。

 松原選手は、レギュラーシーズンの出場86試合で12盗塁を記録しているように足があります。次の試合も同じ並びなら、1番バッターの吉川(尚樹)選手との「1・2番コンビ」が初回からチャンスメイクし、先制点を奪うことを期待したいところです。

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 僕がジャイアンツにいた2000年の日本シリーズも、ダイエー(現在のソフトバンク)相手に連敗スタートでした。そこから4連勝と巻き返し、逆転で日本一となりました。

 この年は、2戦目まで2番の僕と3番の高橋由伸がノーヒット。上位打線がうまく機能せず負けてしまったこともあり、第3戦からスタメンをガラリと変え勝機を得ました。

 原(辰徳)監督は、当時、ヘッドコーチとして長嶋茂雄監督を支えました。百戦錬磨の指揮官ですから、このまま引き下がることは絶対にありません。

 今年も第3戦からオーダーを変更してくる可能性は、十分に考えられます。

 2試合連続で安打を記録しているウィーラー選手の打順を上げるのか。第2戦で途中出場ながら四球、ヒットとボールが見えている田中(俊太)選手をスタメンで起用するのか。もしかしたら、キャッチャーを炭谷(銀仁朗)選手や岸田(行倫)選手に代えてくるかもしれない。ジャイアンツには、多くの選択肢が残されています。そういったチームのアクションも、今後の見どころになってくるでしょう。

 第3戦でジャイアンツが勝てば1勝2敗になります。日本シリーズの行方はより不透明となり、面白い展開になるはずです。

清水隆行プロフィール
1973年東京都生まれ。東洋大から1995年にドラフト3位で巨人に入団。2000年と02年に主力として日本一。09年に西武へ移籍し、現役を引退した。11年から15年まで巨人で打撃コーチを務めた。現在はプロ野球解説者

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