オリックスは強打者の獲得が必要。強力リリーフ陣の確立も急務だ (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 亜細亜大の平内龍太(へいない・りゅうた/右投右打)は最速156キロを誇り、落差のあるスプリットで空振りが奪える本格派。腕の出どころがわかりづらく、打者にとっては厄介な投手だ。

 また、八戸学院大の大道温貴(右投右打)もリリーフの適性があると見ている。今年秋のリーグ戦で1試合18奪三振の快投を見せたが、これだけ三振が取れるのはストレートの威力はもちろん、縦に鋭く曲がるスライダー、チェンジアップという必殺の変化球があるから。スタミナも十分で先発としても面白いが、リリーフのスペシャリストとして育ててみたら、とんでもない投手になるような気がしてならない。

 できればサウスポーもほしいところだ。今年は右の好投手が多く、左投手が少ない印象があるが、ENEOSの藤井聖(左投左打)やNTT東日本の佐々木健(左投左打)あたりが残っている状況であれば、獲っておきたい。

 いずれにしても、リリーフ陣が安定すればゲームプランが立てやすく、チーム力は一気に上がる。終盤に逆転されるゲームが多いのは、言い換えればリリーフ陣の安定のなさが招いた結果ともいえる。

巨人がドラフト1位で狙うスラッガーの正体>>

 あと、ポジション的には捕手も獲得しておきたい。シーズン終盤、頓宮裕真がマスクを被り"打てる捕手"への挑戦を始めたが、来シーズンどこまで機能するかはまったくの未知数である。

 ならば、ディフェンスを重視して、立命館大の榮枝裕貴(右投右打)を獲得するのもひとつの手だ。ランナーが走るのを躊躇してしまう肩は、それだけで武器だ。ソフトバンクの甲斐拓也が"強肩"を武器にスターダムを駆け上がったが、榮枝もそれに匹敵か、それ以上の逸材である。

 チームは長い低迷期に入っているが、適材適所の補強をすれば間違いなく上位進出はおろか、優勝争いをしても不思議ではない。まずはチームとしてしっかりとしたビジョンを描けているか。近年、育成に力を入れ始めたオリックスの本気が見えるドラフトになるのは間違いなさそうだ。

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