オリックスは強打者の獲得が必要。強力リリーフ陣の確立も急務だ

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略2020〜オリックス編

 山本由伸、山岡泰輔、吉田正尚と球界を代表する選手を揃えながら、2年連続の最下位がほぼ決定的なオリックス。開幕前は上位に予想する解説者も多く、選手個々のポテンシャルは高い。

 今シーズンの戦いを振り返ると、ロースコアの展開で終盤に逆転負けを喫する試合が多かったように思う。つまりは、得点できる時にできないから、このような展開になったのだろう。現在、吉田がパ・リーグ首位打者に君臨しているが、それにつづく打者がいない。期待されたアダム・ジョーンズも不発に終わり、やはりここは打てる選手の獲得が最優先だ。

 そうしたチーム事情もあり、オリックスは早い段階で近畿大の佐藤輝明(右投左打)の1位指名を明言したが、まさに補強ポイントにピッタリの選手である。

オリックスが1位指名を明言した近畿大のスラッガー・佐藤輝明オリックスが1位指名を明言した近畿大のスラッガー・佐藤輝明 佐藤は圧倒的な長打力も魅力だが、足も速く、また内外野守れるなど、ユーティリティー性が高く、いろんなパターンでの起用が可能だ。チームにとってこれほどありがたい選手はいない。

 ただ、これだけの選手だ。巨人、ソフトバンクをはじめ、複数の球団が指名してくるのは間違いない。オリックスは長年クジ運に見放されており、それもチーム低迷の大きな要因になっている気もするが、ここは当たればラッキーぐらいの気持ちで挑んでほしい。

 当然、佐藤を外した時のシミュレーションも必要だ。右の強打者なら、中央大の牧秀悟(内野手/右投右打)も候補に挙がる。豪快さという部分では佐藤に劣るかもしれないが、広角に打ち分けられる打撃センスに、ツボにくれば楽々とオーバーフェンスする長打力は申し分ない。

 現在オリックスは太田涼や紅林弘太郎など、強打の内野手を育成中だが、彼らとともに佐藤、もしくは牧が加わった内野陣は他球団の脅威になるに違いない。

 1位で強打者を獲得すれば、2位以降で投手を補強しておきたい。できれば、ボールに力があり、リリーフに適性のある投手がほしいところだ。

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