ヤクルトが獲るべきドラフト候補たち。
将来の正捕手育成にも本腰を入れたい
チーム事情から見るドラフト戦略2020〜ヤクルト編
ヤクルトは2年連続の最下位がほぼ決定的となり、今年も"投手陣停滞"という課題が明らかになった。いつまでも40歳の石川雅規に頼ってばかりいられない。若手にとっては絶好のチャンスなのだが、「我こそは!」という気概のある投手がいないのが実情だ。
とにかく、イキのいい投手が必要だ。そこで、今年のドラフト候補のなかで勢いがあって、勝負根性がありそうな投手を探してみたい。
最速150キロのストレートが武器の本格派右腕、八戸学院大の大道温貴 ストレートの勢いなら早稲田大の早川隆久(左投左打)がダントツだし、"負けじ魂"ということならトヨタ自動車の栗林良吏(右投右打)の右に出る者はいないし、怖いもの知らずの真っ向勝負ならENEOSの藤井聖(まさる/左投左打)も面白い。
また、遠虚なく内角勝負を挑んでくる日本製鉄広畑のサイドハンド・川瀬航作(右投右打)の太々しさも立派な武器だし、八戸学院大の大道温貴(はるき/右投右打)の「打てるものなら打ってみろ!」という力強い腕の振りも頼もしい。
まずはこのあたりから獲れるだけ獲ることだ。もちろん、野手だってほしいだろうが、まずはチームをあげて本格的に投手の立て直しを図らないと、来年も同じような結果を招いてしまう可能性は高いだろう。昨年のドラフト1位・奥川恭伸の成長も大きな期待が持てるが、「近い将来"投手王国"を築くんだ」というくらいの勢いで投手獲得に励んでもらいたい。
そうはいっても、"捕手"もマストだろう。気がつけば高齢化が進み、ケガで離脱中の中村悠平(30歳)の穴を埋めている西田明央にしても28歳。将来に備え、ここもイキのいい若手をとっておきたい。
大矢明彦、八重樫幸雄、古田敦也......伝統の名捕手の系譜を引き継ぐだけの器でなければならない。ならば、高校生なら日大藤沢の牧原巧汰(右投左打)大学生なら立命館大の榮枝裕貴(右投右打)を推したい。
ともにディフェンスに長所を持つ捕手で、牧原は捕球から送球までの鮮やかな技術、榮枝はアマチュアNo.1と評される強肩とスローイング能力が魅力だ。
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