小久保裕紀、サブロー、谷佳知...。
「出戻り」選手たちの悲喜こもごも (2ページ目)
印象が強い出戻りは巨人に関わるものが多いが、サブローを想起するファンも多いはず。2011年6月、工藤隆人+金銭との交換トレードでロッテから巨人に移籍。巨人での登録名は本名の「大村三郎」になった。7月1日に一軍に合流すると、同日の中日戦に代打で出場。吉見一起から名刺代わりの本塁打を放ち、巨人での鮮烈なデビューを飾った。
しかし、相手チームの先発が右投手の場合は代打起用が多く48試合の出場にとどまった。すると同年オフにFA権を行使し、ロッテへの復帰を発表する。巨人に在籍した期間はたったの154日だった。ロッテ復帰の会見時には、「常にロッテの試合結果が気になっていた」などロッテ愛を強調。ロッテファンも、日本一(2005年、2010年)の立役者の帰還を熱烈に歓迎した。
その期待に応え、復帰1年目は開幕から5番に入り、途中から4番を担って137試合に出場。リーグトップの78四球をマークするなど「つなぎの4番」として存在感を発揮した。2014年以降は出場機会を減らし、2016年のシーズン中に引退を発表。その引退試合には、巨人時代のチームメイトである阿部慎之助、坂本勇人ら主力選手が観戦に訪れ、サブローの人望の厚さが伺えた。
逆に、巨人に出戻りしたのが脇谷亮太だ。脇谷は、2013年にFA権を行使して西武から巨人に移籍した片岡治大の人的補償で、翌年1月に西武へ移籍。在籍期間は2年だったが、2年目には118試合に出場し、打率.294、出塁率.367の好成績をマークした。
しかし2015年オフに、現役時代から目をかけてくれていた高橋由伸が巨人の新監督に就任することが発表されると、FA権を行使して古巣への復帰を決意。巨人への出戻りは球団史上初のことだったが、2018年に引退するまでの3年間で一軍の出場は106試合にとどまった。
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