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坂本勇人、山﨑康晃、村上宗隆...
外れ1位から大当たりになった名選手たち (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sankei Visual

 渡邉は6年目の昨季に規定打席に到達して二塁のレギュラーの地位を獲得すると、今季は「直球破壊王子」という異名を手に入れ、速球に強いイメージが浸透しつつある。

 最後に番外的に「変わり種」として紹介したいのは、2002年に今はなき、近鉄から外れ1巡目指名を受けた坂口智隆(現・ヤクルト)である。近鉄はその年、高校ナンバーワン左腕と評判の東北・高井雄平(現在の登録名は雄平)を1巡目指名。ヤクルトとの一騎打ちの末に、クジを外している。直後に外れ1巡目指名を受けたのが、神戸国際大付の坂口だった。

 そんなふたりが巡り巡って、18年経った今では同じヤクルトで野手としてプレーしているのだから不思議だ。背番号も1つ違いで、雄平は41、坂口は42をつけている。

 今回は「飛躍した外れドラフト1位」をピックアップしたため、「外れ1位は成功例が多いじゃないか」と感じた読者も多いかもしれない。だが、全体を通してみると、むしろ活躍していない外れ1位の例が圧倒的に多い。

 重複1位指名確実の超目玉選手を獲得できるかは運次第。だが、外れ1位で有力な選手を獲得できるかは、スカウトの眼力と調査力が問われるのかもしれない。

 おそらく、今年のドラフト会議でも「外れ1位」と呼ばれる存在は出てくるはずだ。そのときにどんな選手の名前が呼ばれるのか。各球団の外れ1位に、球団のスカウティングの実力が透けて見えてくる。

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