巨人ブルペンコーチが語った「鍵谷陽平の重要性」と「増田大輝登板の裏話」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

 その後は大江竜聖、大竹寛、高梨、中川が1イニングずつを零封し、結局、ジャイアンツが2−1で逃げ切った。試合後には鍵谷以下、5人のリリーバーがお立ち台に並び、ジャイアンツのブルペンの底力を見せつけている。鍵谷はこう言っていた。

「ああやってブルペンのみんなでお立ち台に立てるなんていうのは何年に1回あるかどうかのことですよね。もちろん僕もプロ8年目で初めてでしたし、すごく嬉しかった。急な登板になりましたが、ああいう場面ではガッと気持ちを入れることができるので、そんなに(準備に必要な)球数は必要ありませんでした。

 しっかり準備できるに越したことはありませんが、監督、コーチが困ったな、行ってほしいなと思うときにすぐに行けるよう、勝っていようが負けていようが、行けと言われたところですぐに行く。それが今の僕の仕事だと思っています。だから常にいろんなことをイメージして、準備をして、試合に臨んでいます」

 菅野が先発した試合は勝ちパターンの継投ができればいい。実際、9月に菅野が先発した5試合のうち、3試合は中川とデラロサだけで勝ち切っている。

 一方、菅野以外の、たとえばエンジェル・サンチェス、クリストファー・メルセデス、田口麗斗、直江大輔が先発した9月の4試合では、5人のリリーフを繰り出して勝利をものにした。村田コーチはこう話している。

「ブルペンではそれぞれの役割を伝えることができています。中川、大竹、高梨、デラ(デラロサ)あたりは投げるところが見えていますからね。難しいのはもう少し早い段階で行く大江と鍵谷で、彼らは常に状況が変化するところで行く可能性があります。こういう展開になったら行くよ、と伝えにくい。だからどんなシチュエーションにも対応できるよう、心も身体も常に準備しておかなければなりません。彼らには苦労をかけていると思いますよ(苦笑)」

 今シーズン、ジャイアンツは4連敗を1度、3連敗を4度、喫している。そのうち7月14日、8月12日、25日と、その連敗を菅野が止めているのだが、今季3度目の3連敗を喫した9月19日のベイスターズ戦、その翌日に連敗を止めた要因は、菅野ではなく、3連敗を喫した試合の"負け方"だった。

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