えっ!と驚く巨人ベストナイン。八重樫幸雄が悩みに悩んであの選手も落選 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――斎藤雅樹さんには手も足も出なかった印象が強いですが。

八重樫 そうだよね。斎藤も長い期間、巨人のエースとして活躍したので、堀内さんとどちらにするか迷いました。桑田真澄、槙原寛己の三本柱の中では斎藤雅樹がいちばん安定感があったしね。ただ、斎藤の時代は野球が変わり始めて、データ分析の結果、抑える時代になってきたけど、単純に自分の能力だけで抑えていた時代の堀内さんは本当にすごかった。「V9」という結果も伴っていた時代のエースということで、僕の中ではやっぱり、堀内さんが歴代ベストピッチャーですね。

――なるほど、ではキャッチャーは?

八重樫 これはやっぱり、阿部慎之助でしょう。あれだけ打てるキャッチャーは慎之助だけですよ。僕は指導者として阿部と対戦したわけだけど、インコースも、アウトコースも、どんな球でも理想的なスイングでとらえることができる。本当に理想的なバッティングをしていました。そういう意味ではONの後を打つ五番打者でも務まりますよ。

――じゃあ、捕手としてのインサイドワークというよりは、打者としての選出ですか?

八重樫 いやいや、彼は「打撃の人」のイメージが強いけど、30代になる頃にはキャッチャーとしても円熟期にさしかかって、インサイドワークがうまくなっていった印象があります。確かに森祇晶さんもV9を支えた名捕手だったけど、2000年代を支えたのは慎之助だし、バッティングとトータルで考えたら慎之助ですね。

【ONは別格。現役で唯一ベストナイン入りしたのは?】

――では、内野陣を伺います。

八重樫 巨人の場合は、ふたつのポジションが最初から埋まっていますからね(笑)。

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