ヤクルト村上宗隆の数字がすごい。
データ3つで「最強の4番」を証明

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 昨シーズン、ヤクルトの村上宗隆は10代での最多記録を更新する36本塁打、96打点の成績を残し、セ・リーグの新人王に輝いた。一方で、打率.231、三振数はセ・リーグのシーズン最多記録となる184個を数えるなど、課題も多く残した。

今シーズン、開幕からヤクルトの4番に座る村上宗隆今シーズン、開幕からヤクルトの4番に座る村上宗隆 昨年10月、フェニックスリーグに参加していた村上は「悔しい思いをした1年でした」とシーズンを振り返った。

「喜びと悔しさを秤にかければ、悔しさのほうが大きいです。三振もエラーも多く、チームに迷惑をかけているので......そこにつきます。でも、今シーズンは終わったことなので、来年に向けて新たな気持ちでやるしかないと思っています」

 そして今年2月の沖縄・春季キャンプ。杉村繁打撃コーチは村上について、「青木(宣親)たちとアメリカでの自主トレでフォームづくりをしたんでしょうね」と言い、こう続けた。

「久しぶりに村上を見ましたが、去年とはまったく違うスイング軌道というか、遠く飛ばすには理想のスイングになっていました。それまではスウェーしながら打ちにいくというか、頭が前に動きながらのスイングだったんです。

 でも今は、左サイドの軸をしっかりつくって回転運動に入っている。つまり、インサイドアウトの軌道に入りやすい構え方になっていて、下半身を使えることによって左足の軸回転で打てる。松井秀喜やバリー・ボンズといった長距離打者の形になっていました」

 この時、杉村コーチは「去年の経験が村上をワンランク上の打者に成長させるでしょうね」と話していた。

「もともと頭のいい選手ですし、1年間、一軍にいたことで(配球の)読みとか、相手がどういう攻め方をしてくるというのがわかったと思います。そのなかで村上は打率を上げたいと言っていて、キャンプでもセンター中心に打つ練習をしている。去年は引っ張りの意識がありましたが、もともと逆方向に打つのがうまい選手ですからね」

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