ホークスにまたまた期待の新星。栗原陵矢がブレイクまでに6年を要した理由

  • 安部昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

 ソフトバンクのチームリーダー・内川聖一が、開幕前の練習試合で21打数1安打と不振にあえぎ、まさかの二軍スタートとなった。そんな不測の事態が起き、ソフトバンクの一塁は捕手登録の栗原陵矢(りょうや)が務めている。

プロ6年目にして初の開幕スタメンを果たしたソフトバンク栗原陵矢プロ6年目にして初の開幕スタメンを果たしたソフトバンク栗原陵矢 若手、若手と思っていたら、もうプロ6年目。ここまでの5年間、一軍での通算成績は46試合に出場し、打率.196、1本塁打......この数字を鑑みれば、今シーズンは自らの"存亡"をかけた勝負の1年なのかもしれない。

 6月29日現在、9試合に出場して打率.359(39打数14安打)、1本塁打、9打点、出塁率.419と大健闘を見せている。

 もともと"面"で打てるバッターだと思っていた。バットをテニスラケットのように使って、インパクトで相手投手にしっかり面を見せてミートする。つまり、ピッチャーの投げるボールを"線"でとらえることができるからミートの精度が高く、すぐれたアベレージヒッターの資質を持ったバットマンと見ていた。

 ファームでタイミングよくバットの芯でとらえていたら、それだけで3割近いアベレージは残せたはずだ。しかし、いつまでもスリムな体型で、せっかくミートしても140キロ台後半のボールに力負けしてしまう。それが昨年までの栗原だったのではないか。

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