2020.06.23

じつは捕手防御率が12球団トップ。
楽天・太田光は「ポスト嶋」の最右翼

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Koike Yoshihiro

 太田は臆することなく、先輩たちに自分の意志を伝えた。それがやがて信頼関係へと発展し、バッテリー間の意思疎通を図れるようになっていった。

 芽生えた自信。そこから沸き立つレギュラー獲得への渇望。ビジョンはまだ、ぼんやりとはしている。それでも太田には、昨年の時点で今年のビジョンを描くことができていた。

「もちろん、ほかのキャッチャーの方たちとの力の差を感じる部分もありましたけど『頑張ればなんとかなるんじゃないか......』ってイメージを持てたのは大きかったですね」

 そのビジョンを鮮明にするべく、太田は2年目のシーズンに臨む。

「100試合以上の出場と規定打席到達」

 掲げる数字は明確だ。

 今年の楽天は、嶋がヤクルトに移籍したことにより、正捕手争いが激しくなる。

 経験豊富な足立祐一、打力の高い山下斐紹と岡島豪郎、昨年に捕手でチームトップの65試合に出場した堀内謙伍と、ライバルは多い。そのなかで、太田は開幕3連戦でスタメンマスクを被った。

 レギュラーを勝ち得たわけではない。

 だからといって、自分への期待値が薄れたわけではない。先輩投手との信頼関係を築いたように、若き正捕手候補は臆することなく突き進む。

「頑張ればなんとかなる」

 太田は今季、それを結果で証明してみせる。

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