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山田哲人は「何かを持っている」男。
NPB新記録を衝撃の満塁弾で決めた (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

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 この時期、杉村コーチが山田についてこんな話をしてくれた。

「キャンプの時に、いきなり打率3割はしんどいから、まずは週にヒット7本を目標にしてやっていこうと。それをクリアしていけば、月に30安打になり、シーズン180安打に届くと。そうなれば3割に届くし、首位打者も見えてくるかもしれない。ホームランも月に3本打てば、20本近くいく。そのために全試合レギュラー出場しようと話しました」

 そして杉村コーチは「若手選手が急激に伸びるのは、タイトルを獲った時です」と続けた。

「山田は今年のセ・パ交流戦で優秀選手(日本生命)賞と首位打者のタイトルを獲りました。これによって、小さなことの積み重ねが大事だとあらためてわかったと思うんです。フリー打撃でもスイングが速くなり、飛距離が伸びている。印象に残っているのは、4月16日の巨人戦で菅野智之から逆方向に打ったホームランです。あと5月6日の広島戦で九里亜蓮からバックスクリーンに打った時も、『おお、これは!』と思いましたね」

 さらに山田は、杉村コーチを驚かせ続けた。

「6月に入っても打つので、『オールスターもいけるぞ』って言うと、本当に選出された。『じゃあ、MVP獲って300万円を狙ってこい』と話せば、第2戦でホームランを打って敢闘賞の100万円を獲ってきた。さすがに、こいつは何か持っているぞと思いましたよね(笑)」

 この頃、なにより山田に驚かされたのは、細身の体から文句なしのホームランを量産することだった。

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