ヤクルトのドラフト秘話。八重樫幸雄が語る、いろいろ誤算があった選手たち (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――しかし、抽選の結果またしても外れ。塩見投手は楽天に入団することになりました。続いて「ハズレ、ハズレ1位」として指名したのが履正社高校の山田哲人でした。

八重樫 確かに2度の抽選を外して山田を指名したけど、もともと山田も、1位指名候補のひとりでした。この年は塩見、山田を高く評価していたので、山田の1位指名は、ある意味では想定内だったね。

――後に日本を代表するスター選手のひとりになったわけですから、山田選手の獲得は結果的に大成功でしたね。

八重樫 山田はオリックスと競合だったけど、当時オリックスの監督だった岡田(彰布)はかなり悔しがっていたよ。それにしても、山田の獲得は大きかったよね。古田(敦也:1989年ドラフト2位)と山田の獲得は、ヤクルトにとって記憶に残る「うれしい誤算」だったんじゃないかな?

【成功できるのは「野球に没頭できる選手」】

――漠然とした質問になってしまいますけど、「プロで成功するコツ」「大成する選手の特徴」みたいなものってあるんですか?

八重樫 やっぱり、どれだけ野球に没頭できるかが大きいと思いますよ。特に高卒の選手の場合は。社会人出身ならば、「仕事と遊び」を上手に両立できるタイプが多いけど、高卒の選手が遊びに夢中になると、どうしても野球が中途半端になりがち。そういう意味では畠山(和洋)だけですよ、例外は(笑)。

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