2019.11.06

内輪もめから一転、一体感。
名将+レジェンドコーチで台湾が手ごわい

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 胡智為は140キロ台半ばのツーシームとチェンジアップが持ち味の右腕。今回のプレミア12はショーケースの意味もあり、メジャースカウトの前でどれだけのピッチングをするのか注目を集めている。

 オリックスの育成出身である張奕は、入団時は外野手だったが、昨年から投手に転向。今季、急速に力をつけ、支配下登録を勝ち取った右腕だ。今大会での起用法は中継ぎ中心と見られているが、先発もできるだけにどこで投げるのかも注目だ。

 本来なら、これに加えて、10月に開催されたアジア野球選手権でチームの優勝に大きく貢献した劉致栄(リュウ・ツーヨン)という最速158キロの大型右腕も代表入りするはずだった。だが、ボストン・レッドソックスと75万ドルで正式契約を交わし、今大会は「疲労を考慮して」の辞退となってしまった。

 一方の打線は”国内組”が主流で、クリーンアップはラミゴの林泓育(リン・ホンユー)、陳俊秀(チェン・チュンショウ)、そして元ラミゴで現在は日本ハムでプレーする王柏融(ワン・ボーロン)の3人。

 また代表監督もラミゴで指揮を執る洪一中(ホン・イーツォン)だ。ラミゴを名実ともに台湾球界を代表するチームに押し上げた名将で、2008年の北京五輪をはじめ、多くの国際大会で指揮を執るなど経験豊富な指揮官である。台湾球界の関係者は「まだ洪さんに頼るのか?」という意見もあるようだが、「現状は致し方ない」という声がほとんどだ。

 だが近い将来、間違いなく台湾の代表監督に就くであろう人物が、今回、コーチ陣に加わった。彭政閔(ポン・ツェンミン)打撃コーチだ。2001年に名門・兄弟エレファンツに入団し、生え抜き選手として18年間プレーしてきた。野球に対する真摯な姿勢と穏やかな性格から、ファンのみならず選手にも慕われ、今シーズンをもって現役を引退した(規定打席に届かなかったが、92試合で打率.302を残した)。

 引退して間もないにもかかわらず、急遽、コーチとして登録されたわけだが、洪監督としてみれば彭政閔にチームのまとめ役を託したのだろう。