2019.11.06

内輪もめから一転、一体感。
名将+レジェンドコーチで台湾が手ごわい

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 野球の台湾代表と言えば、これまで国際大会で実績があり、”強豪国”のイメージがあるかもしれない。事実、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)の世界ランキングは、プレミア12が始まる前まで4位。だが近年は、今年のU-18ワールドカップで優勝したものの、前回のプレミア12(2015年開催)は9位、2017年のWBCは14位とトップチームの成績は芳しくない。

2008年の北京五輪をはじめ、国際大会で数多く指揮を執ってきた名将・洪一中監督 その最大の要因は、いわゆる”内輪もめ”と言われてきた。台湾の野球は、プロ野球(CPBL)とアマチュア球界(CTBA)の関係が良好とは言い難く、これまで大会ごとに主導権争いが繰り広げられてきた。

 CTBAはオリンピック関係を統括することから、政界や経済界とパイプが太く、資金力も豊富なため、プロ野球側は国際大会のたびに臍(ほぞ)を噛むしかなかった。

 監督人事や選手選考も思うように進まず、業を煮やした選手からはボイコット(代表辞退)する者が現れたりと、戦う前から戦意を喪失しかねない状態が繰り返されていた。

 だが昨年あたりから、両組織の幹部が代わるなど、争いごとは目に見えて減っていった。だからだろうか、今大会の選手構成は自他ともに「近年で最もバランスが取れていて、強い」と評判だ。

 国内組はアマ選手2名を含む21人。内訳は、ラミゴ・モンキーズから8名、中信兄弟から5名と、台湾プロ野球の2チームが主体となり、そこに海外組が加わる形となっている。

 ちなみに、海外組は投手6名、野手1名で、アメリカのマイナーでプレーする選手が3名、日本でプレーする選手が3名という構成だ。

 なかでもカギを握るのが、江少慶(チャン・シャオチン/インディアンス3A )、胡智為(フー・チーウェイ/カブス2A)、そして張奕(チャン・イー/オリックス)の投手3人だ。

 江少慶はキレのある150キロのストレートが武器の本格派右腕で、今シーズンは3Aまで上り詰め、メジャーまであと一歩のところまできた期待の選手だ。