36歳でキャリアハイの要因は。中村剛也に4択クイズで迫った (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 そこで筆者が考え出したのが、4択クイズだった。

 中村の好成績の土台には、開幕から135試合に出場してきたコンディショニングがある。9月18日のオリックス戦の前、最初の質問を投げかけた。

「身体のコンディションは、よい、普通、よくない、疲れた、で言うと、どれですか」

「ハハハハ」と笑った中村は、「正直に言うと、疲れた。ハハハハハハ」と答えた。

 それもそのはず、今季出場した135試合のうち、指名打者は9試合、代打は2試合で、124試合でサードを守っている。

「特別なことはあまりしていないですね。こまめにマッサージを受けたり、練習量をうまいこと減らして試合にしっかり臨めるようにしたり。最近、シートノックも受けてないし」

 栁澤玄成トレーナーによると、今季はマッサージを例年の2、3倍に増やした。昨年までは本当に疲れた時に受ける程度だったが、今年は5月から頻度を高め、6月終盤からほぼ毎日受け続けたという。

 過去に左ひざを手術したこともある中村のコンディショニングは、首脳陣にとっても重要事項だった。阿部真宏打撃コーチが語る。

「ここ何年かを振り返ると、単純に打てないというより、体調があまりよくなくて打てなくなるほうが多かった。今年も無理してもらっている部分はたくさんあるけど、できるかぎり休みを作るとか、DHにするとか、我々としてもかなり意識しています」

 試合前のシートノックだけでなく、打撃練習をしなくてもいい。首脳陣がそう提案すると、中村は「打つ」と答えた。そんな姿を見ながら、阿部コーチは今季の中村に特別なすごみを感じていた。

「去年調子がよくなかった時期があり、右方向へのホームランが増えました。向こうでも飛ぶ、という感覚が出てきたのもあると思います。今年に関して言うと、シーズン最初は下位の打順を打ってもらって、上位の状態がよかったのでチャンスで回ってくるケースも多くて、ホームランというより、ランナーを還すことに徹してくれた。

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