36歳でキャリアハイの要因は。中村剛也に4択クイズで迫った
開幕戦の打順「8番」が遠い過去の記憶のように、中村剛也は8月中旬から「4番」に座ると、勝負強い打撃で西武をリーグ連覇に導いた。
123打点で4年ぶりのタイトルをほぼ手中に収め、同じく4年ぶりに30本塁打を記録。特筆すべきはプロ18年目の今季、36歳にしてキャリアハイの打率.286を残したことだ。全盛期の中村は本塁打を量産しても、さほど高打率を残すタイプではなかった。
36歳にしてキャリアハイの打率を残した中村剛也 なぜ突然、高いアベレージを残せるようになったのだろうか。
「わかんないんで、考えといてください」
9月16日のロッテ戦の前、そう言うと、「ハハハハハハ」と豪快に笑ってクラブハウスに引き上げていった。
前日のロッテ戦で、高打率の秘訣が垣間見られた。1点を追いかける5回裏、二死一、二塁からライト前タイムリー。フルパワーで長打を狙うのではなく、コンタクトを優先してシングルヒットで1点取ればいいという意識だったのか。
「いや、シングルとかそういうのはとくになく。ツーアウトからのチャンスだったので、ランナーを還すことだけを考えていたので。普通にヒットを打つ」
3点を追いかける7回裏、一死一塁から甘いフォークに反応し、センターオーバーの二塁打でチャンス拡大。7回表に3点をリードされる嫌な展開のなか、持ち味の本塁打で流れを変えようという意識はあったか。
「まあ、終盤でしたし、何とか。あそこでホームランを打ったとしても2点しか入らんし。しっかり後ろにつなぐという意識で」
ヒーローインタビューを見ればわかるだろうが、中村の受け答えは実にそっけない。大阪桐蔭の西谷浩一監督によると、高校時代からさほど変わらないという。落合博満氏も認めるほど高度な打撃技術を誇る一方、その胸のうちに迫るのは取材者にとって容易ではない。
ただし、菊池雄星(マリナーズ)、浅村栄斗(楽天)、炭谷銀仁朗(巨人)という3人の主力が抜けたなか、なぜ西武がリーグ連覇を果たせたのかを明らかにするには、36歳になった中村がキャリアハイの活躍を見せた要因を解明することが不可欠だ。
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