今季中のNPB復帰は消滅も、西岡剛「野球を続けることに変わりはない」 (2ページ目)

──　新しい野球を始めた感覚ということでしょうか？

「野球って答えがないんですよね。バットが折れてもヒットになることがあるし、真っ芯でとらえても野手の正面にいったらアウト。答えがないスポーツを、もう一回、自分のなかで勉強したいというのもありますね。ましてや、ここ（栃木）にいる選手には伝えていける立場でもあるので......。今までは体を使って野球をしていましたけど、野球というスポーツは本来、頭を使わないとダメなんですよ。もし引退すれば、体で教えるんじゃなくて、次は脳みそを働かせて若い子たちに伝えないといけない。それができるようになるには、もっと自分のなかで勉強が必要だと思うんですね。だから今、自分自身で試しながら勉強できているのはすごく幸せです」

──　以前は持って生まれたセンスでやっていたということでしょうか？

「そんなこともないんですけど、ただ、誰かに教えるってことが、現役プレーヤーの時はあまりないじゃないですか。視点をちょっと変えるだけで、感じ取れるものは変わってくると思うんです。それが何かは僕もまだわからないんですけど、続けていったら得るものはいっぱいあると思うんですよね。だから、続けています」

──　栃木に来て、若い選手に教える機会ができて、野球への思いは変わりましたか？

「基本的に、人に教えられないってことは、バッティングがわかってないということだと思うんです。もちろん、僕の言うことがすべてじゃないですよ。一人ひとり骨格が違うし、体の使い方も違う。だから、どういう打ち方をすればいいっていう答えはひとつではないと思うんです。それぞれの骨格や動きを見て、『お前はこういう風にして打った方がいいんじゃないか』とか、『こういう風に体を使った方がいいんじゃないか』とか、教え方はいろいろありますよね。ただ、僕はまだそこまでの域に達してないと思っているんで、プレーヤーとして自分で体感しながら、身に着けているって感じですね」