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村田修一コーチが行なった最初の改革。
「片手でスイングはやめよう」 (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Nikkan sports/AFLO

──打撃に関するアドバイスもされたんですか?

「そうですね。ある試合で、少しアドバイスした選手がホームランを打ったことがあって。僕も選手としてプレーしていたんですけど、自分の結果よりも20歳そこそこの選手が打ったほうが嬉しかったんですよ。反対に、アドバイスした通りに打っているのに結果が出せない選手に関しては、『どうしてなんだろう?』と悩むこともありました。どうしたらアドバイスが結果につながるのか、それを追究することの面白さを感じる日々でしたね。

 そこで、レベルに合わせた伝え方も学べたと思います。僕がプロで当たり前にやっていたことも、BCリーグでは気づかずにやれていないことも多いんです。例えば、バッティング練習の時に、平然とアップシューズで打席に向かう選手がいて(笑)。『試合と同じスパイクを履こう』というところから伝えないといけないこともある。そういったことは、BCリーグを経験しないとわからなかったことだと思います」

──BCリーグでの経験が、コーチとしての糧になったんですね。

「もし、プロの一軍だけしか経験せずに現役を引退してコーチになっていたら、今の指導方法も大きく違っていたでしょうね。先ほども話したように、『もっと簡単に伝えられるか』『どうかみ砕いたらいいのか』という意識は、BCリーグで1年間を過ごしたからこそ身についたこと。その経験があってよかったと思っていますし、これからもそう言えるように、いろんなアプローチをしながら選手を育てていきたいと思います」

(後編に続く)

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