2019.06.20

大阪桐蔭歴代イチのミート力。
森友哉は低身長、短い腕でもカッコええ

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 岡沢克郎●写真 photo by Okazawa Katsuro

あの時もキミはすごかった~西武・森友哉編

 プロ6年目の今シーズン、森友哉(西武)のバットが好調だ。まさに糸を引くようなライナー性の打球を左右に打ち分け、甘い球がくればスタンドイン。6月19日現在、打率.342は堂々のパ・リーグトップである。

 森の変幻自在のバッティングを見ていると、大阪桐蔭時代に目の当たりにした快打の記憶がよみがえってくる。

高校時代、4度甲子園に出場し、打率.473、5本塁打、11打点の活躍を見せた森友哉 以前、大阪桐蔭で1年秋からレギュラーになった森が出場した4度の甲子園と、甲子園出場がかかった夏と秋の公式戦の打撃成績を調べたことがあった。以下が森の成績である。

1年秋(大阪大会、近畿大会)/35打数20安打/打率.571/3本塁打/10打点

2年春(甲子園)/18打数8安打/打率.444/1本塁打/2打点

2年夏(大阪大会)/27打数15安打/打率.556/1本塁打/5打点

2年夏(甲子園)/20打数8安打/打率.400/2本塁打/2打点

2年秋(大阪大会、近畿大会)/35打数16安打・打率.45711打点

3年春(甲子園)/5打数4安打/打率.800/3打点

3年夏(大阪大会)/25打数10安打/打率.400/1本塁打、9打点

3年夏(甲子園)/12打数6安打/打率.500/2本塁打/4打点

 通算すると、177打数87安打/打率.49210本塁打/46打点。ちなみに、愛工大名電時代のイチローの公式戦(春季大会を含む)の成績は、220打数101安打/打率.459/4本塁打/75打点。単純比較はできないが、数字を見る限り、森が”稀代の安打製造機”と肩を並べるクラスの打者であることは間違いない。

 さらに言えば、金属バットを使用する高校野球では、芯を外されたり、体勢を崩されたりしてもヒットになることがある。しかし森の安打は、10点満点で言うなら常に8点以上。きっちりとらえてのヒットがほとんどだった。

 高校時代の3年間で、森の試合は練習試合も含めて50試合以上は見たが、ある時から打つことが当たり前となり、どんな打球が飛ぼうが驚かなくなってしまった。逆に、関心が高まったのが凡打で、いま思い出しても形を崩されて打ち取られたという記憶がない。こんな高校生を見たのは、もちろん初めてだ。