門田博光が本塁打増に持論。「打撃を球場サイズに合わせたらあかん」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「投手の質がクエスチョンや。見ていても、開幕早々から失投が多い。我々が現役の頃、エースクラスのピッチャーは簡単に失投を投げなかった。とくに4、5月はピンポイントで投げてきた。だからこっちは、相手の疲れが出る夏をひたすら待った。春先はひたすら体調を整えて、夏が来たら反撃や。それが今は春先から打者優位やからな......ドーム球場も増えて、ピッチャーにとってはコンディションも整えやすいはずやのに、ピンポイントで投げられる投手が少ない。

 プロでもアマチュアでも、どれだけ確実に失投を仕留められるかで数字は決まってくる。極論を言えば、シーズンを通して真ん中周辺のストレート系だけを狙える勇気があれば、プロでもそれ相当の数字は残る。まぁ、人間は余計なことを考えてしまうから、なかなかそれができないんやけど......。今年、これだけ春先からホームランが出るということは、ピッチャーがそれだけ打たれるボールを投げているということ。それは間違いない」

 そしてもうひとつ、球場の広さについても話題になった。今年からロッテの本拠地であるZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンなる席がつくられ、外野フェンスを最大4メートル前に出した。

 そこへブランドン・レアードの加入もあって、昨年リーグ断トツ最下位(78本)だった本塁打数は、今年は62日時点ですでに66本。堂々のリーグ2位だ。

 ソフトバンクの本拠地・ヤフードームも、2015年にホームランテラス席をつくり、左中間、右中間のふくらみをなくし、フェンスも低くしたため、瞬く間にホームランの出やすい球場へと様変わりした。

 ちなみに楽天の本拠地・楽天生命パーク宮城も、2016年に左中間フェンスを12球団で最も低い1.65mに下げている。今年は浅村栄斗、ジャバリ・ブラッシュの加入効果も大きく、ここまで63本塁打62日時点)。球場の大きさ、フェンスの高さが、本塁打数に大きな影響をもたらしているのは間違いない。

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