攻守で巨人に欠かせない亀井善行「脇役で何でもやらなきゃいけない」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「年齢も、今やチームで上から2番目ですからね。阿部さんの次になってしまいました。でも逆に年々、身体のほうは前よりも動くようになってきたんです。だから、身体の状態はいいんですけど、今年、バッティングのほうはなかなか手応えをつかめないというか、ちょっと苦しんでいます。キャンプからなかなか(調子が)上がってきません。(体が)開かないようにガマンして、カベをしっかり作って打つことができれば一発で仕留められるはずなのに、今年はそれを仕留め切れずにファウルになってしまうことが多いんです。今はどこかにきっかけがないか、それをずっと欲しがっているところです」

 そう言いながら、今シーズンも亀井の印象的なバッティングはいくつもあった。

 たとえば5月8日、新潟で行なわれたベイスターズ戦で、亀井は4点差を追っていた7回、2点を奪い、さらにツーアウト満塁から国吉佑樹の初球、外角低めのストレートにドンピシャでコンタクト。打球は左中間の深いところへ飛ぶ、走者一掃の逆転タイムリーツーベースとなった。

 また5月10日のスワローズ戦では、5回裏、4番の岡本和真が勝ち越しのホームランを放った余韻が残るなか、小川泰弘が初球に投じたアウトハイへのツーシームを左中間スタンドへ叩き込んだ。ともに奈良出身の岡本とともにお立ち台に立った亀井は「岡本"師匠"がいいホームランを打ってくれたので......奈良県民の誇りです」と、茶目っ気たっぷりのコメントを発している。

「どっちも逆方向への打球なんですけど、じつはそれ、自分の形で打ててないからなんです。僕は本来、プルヒッターなので、ライトへ引っ張り込むバッティングが理想なんですけど、今年に関してはなかなかバッティングの調子が上がらず、打つポイントが定まってくれない。だから、打つポイントをできるだけ身体に近づけて、少しでも粘りながらバッティングを理想の形にはめていきたかったんですよね。その分、ポイントが近くなるので左方向へ打球が飛ぶんですけど、それってもともとは自分の形じゃない。僕のなかで理想の打球は、右中間へのツーベースだったり、一、二塁間へのヒットなんです」

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