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貴重な左腕が悪夢の離脱から復帰。
広島・床田が開幕ローテ入りを狙う (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Kyodo News

 一軍のマウンドに上がることがゴールではない。一軍のマウンドでチームを勝利に導くことがゴールとなる。

 現時点の広島先発陣で、左腕はクリス・ジョンソンしかいない。貴重な左の先発として特長を出すために、床田は対左打者封じの武器を磨いている。制球力が持ち味も、「右の内角には投げられるのですが、左の内角はまだぼやけている」と独特な表現で左の内角球の精度に不安定さを感じている。

 また、昨秋から対角球となる外スラ(左打者への外角スライダー)も併せて精度向上に努め、磨きをかけている。

「内角を突かないと一流は抑えられない。のけぞらせるぐらいでいい。1球でも見せて(内角も)あると思わせれば、スライダーも生きると思う」

 一軍で3試合先発した2017年は右打者への被打率2割5分に対し、左打者は2割1分7厘と抑えてはいたが、「外だけでは一流の打者は抑えられない」と警戒心を高める。セ・リーグにはDeNA筒香嘉智やヤクルト青木宣親、そして広島から巨人へ移籍した丸佳浩もいる。

 ブルペンでは、実戦をイメージしながら両サイドに投げ分ける。ミットを突き破るような剛球を投げる投手と比べると、見ている者の目に留まらないかもしれない。見た目ではなく、内容で勝負。

 広島の開幕ローテーションは、昨年2冠の大瀬良大地とジョンソンのふたりが内定しているのみで、3番手以降は決まっていない。床田にとって2年ぶりの開幕ローテーション争いは、ゼロから戦いとなる。

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