山口鉄也が気になる山本由伸。
飛躍の秘訣は「冷静さ」にあった (2ページ目)
──昨シーズンは、2軍、1軍でも主に先発として活躍していました。そこからセットアッパーとして起用されるまでの経緯は?
「ルーキーイヤーから今シーズンの開幕までは、主にファームで先発を任されていました。1軍でローテーションを担うピッチャーを目指していましたが、リリーフ陣の層を厚くするというチーム方針で、そこに僕が入ったという感じです。それを伝えられたのは、2軍で先発する予定だった3日前の夜。小林(宏)2軍投手コーチから、『3日後から1軍の中継ぎのゲームメンバーに入ってもらうから』と電話があったんです」
──突然の出来事だったのですね。
「前触れはなかったですね。その電話の際に、『1軍に上がったら7回か8回の勝っている場面で登板させると聞いているから、これからの野球人生においてもいい経験になるぞ』と背中を押されました。
先発との違いは、野球のことを考える間隔の長さです。セットアッパーは投げた翌日もマウンドに上がることがあるポジション。毎日ベストの状態にしなければいけないと思い、食事面から気をつけて調整を行なうようになりました」
──西武の打線、ソフトバンクの柳田悠岐選手など、強打者と対戦する際に気をつけていることは?
「長打だけは打たれないよう警戒しています。試合の流れが大きく変わりますからね。短いイニングを任されるセットアッパーでは1球の失投が命取りになりますから、より丁寧に投げることを心がけています」
──今でも先発に未練はありますか?
「めちゃくちゃありますよ(笑)。先発で投げたいという思いは常に持っています」
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