「悔しがり方は高校時代と変わってない」
恩師が見た鈴木誠也の成長度 (3ページ目)
その話を市原監督に伝えると、こんな答えが返ってきた。
「優勝を争うチームの4番バッターなんですから......気持ちに激しい浮き沈みがあってはダメなんだということを、少しずつわかってきたのかもしれないですね」
セ・リーグを制覇したチームの"4番"という重責をまっとうした今年の鈴木に、市原監督は大きな成長の跡を見たという。
「チャンスで打てなかった時、イメージ通りのスイングができなかった時に誠也が悔しがっている姿は、高校生の頃とまったく変わっていません。でも、それはプロで生きている部分だと思うんです。試合のあとのコメントなんかも、だいぶ落ち着いてきた。だんだん、いろんなものが見えてきたんだなぁって思います。
あれだけ大きな存在になりましたから、いろんなことを言われたり、誤解されたり、イライラすることも多くなっていると思うんです。でも、それを超えられるぐらいにセルフコントロールできる人間になることが、本当の意味で"4番"になるってことだと思うし、今の誠也にはその"宿題"をこなせるだけの人間的な力が十分備わってきていると、すごく期待しているんです」
来年こそ、真の意味での"日本一の4番"へ。鈴木の新たな挑戦が始まった。
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