2018.10.12

王者・西武に死角はあるか。
斉藤和巳が語るCS「下剋上への秘策」

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 一発の怖さで言うのなら、日本ハムはやはりレアードの故障が痛い。長打が期待できるバッターを欠いたことで、多少なりとも相手投手を気分的に楽にさせてしまいます。代わりに出場する横尾俊建や清宮幸太郎も一発があるとはいえ、年間30発打てるレアードと比べると見劣りしてしまう。

 ただ、日本ハムにはソフトバンクにない機動力がありますから、特に下位打線にはそのあたりを発揮してもらいたい。9番の中島卓也あたりが、持ち味の粘りでファウル、ファウルと相手ピッチャーに球数を多く投げさせることができれば、後々ボディブローのように効いてくるはず。

 7番、8番が出塁し、中島が粘ってフォアボールと、ランナーを溜めることができれば、得点能力のある上位打線につなげますから、一気に大量得点のチャンスも生まれてくる。日本ハムがそういう点の取り方ができれば、面白い展開になると思います。

 ファイナルステージでは、異なる得点パターンを持っているソフトバンクと日本ハムに対して、西武投手陣がどう抑えるか? そこがポイントになってくるはずです。

 今年の西武はチーム防御率が12球団中11位の4.24が示すとおり、打線に助けられて勝ってきたイメージが強い。過去で例を挙げるならば、1985年の阪神(チーム打率.285、219本塁打、防御率4.16)や2001年の近鉄(チーム打率.280、211本塁打、防御率4.98)のようなチームです。

 そうなると、やはりエース・菊池雄星の出来が勝敗を左右するでしょう。多和田(真三郎)は16勝を挙げ最多勝を獲得しましたが、安定感と過去の実績から判断しても、チームとしては初戦をエースに託したいところ。

 よく「短期決戦は2戦目が大事」と言う監督さんもいますが、CSの場合、優勝チームの1勝のアドバンテージを考慮すれば、菊池で勝てれば連勝と同じ。このあとに投げると予想される多和田、榎田大樹、今井達也の精神的負担も軽減できますし、左、右、左、右と投手のタイプとしてもバランスがいい。西武は絶対的な救援陣がいませんから、先発陣の頑張りがカギになるでしょう。