なぜライオンズの本拠地メットライフドームは本塁打が出やすいのか? (3ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 逆にメットライフドームだと、僕は誰よりも飛ばす自信がある。気持ちの問題かもしれないけど、感覚の問題なので、一番大事かもしれません。僕はここ(メットライフドーム)で圧倒的にホームランを打っていると思うけど、大きく関わるところです」

 山川が今季放った47本塁打のうち、27本が本拠地で生まれたものだ。次点は楽天生命パークで7本。東京ドームでは7試合で1本も打てず、打率.154と苦手にしている。

 山川以外の選手では、32本塁打の浅村栄斗は18本、28本塁打の中村剛也は16本、8本塁打の栗山は4本をメットライフドームで放った。

 本拠地では試合数が多いから、本塁打数も増えるのは当然と言えば当然だが、例外もいる。24本塁打の秋山翔吾は、66試合を戦ったメットライフドームで6本だったのに対し、13試合の楽天生命パークでは7本塁打を記録した。「右に引っ張ってホームランが出ると、不調の入り口になりかねない」と語る稀代のヒットメーカーは、独特の感覚を備えているのかもしれない。

 もちろん、メットライフドームで西武の打者が本塁打を多く放っている背景には、ホームアドバンテージもあると考えられる。家族のいる自宅や食事を用意してもらえる寮から球場に通え、早めに来てウォーミングアップなどの準備も行ないやすい。試合前の打撃練習でも、ホームチームは2カ所で行なえるのに対し、ビジターは1カ所だ。ファンの大声援を背に戦えることは何より大きい。

 そんな条件面と独特の感覚を合わせて、山川は「メットライフドームはボールが飛ぶ」と言う。主砲がポジティブな気分で臨める場所でクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを戦えるのは、10年ぶりの日本シリーズ出場を目指す西武にとって心強い材料だ。

 果たして10月13日から始まるCSファーストステージを勝ち抜き、西武との決戦に臨むのは、もっともチーム本塁打数の多いソフトバンクか、被本塁打数が最少の日本ハムか。

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