プロ野球におけるプレーオフの歴史。
パ・リーグには幻の制度があった (5ページ目)
それに対して、上位チームに勝ち星のアドバンテージがないファーストステージでは、2位チームがファイナルステージに進む確率は50%。その傾向はとくにパ・リーグに強く、2位チームがファーストステージを勝ち抜いたのは、これまでで3回しかない。
今年のペナントレースを見ても、セ・パともに優勝チームが2位のチームを大きく引き離している。それに加え、セ・リーグの場合は3位チームの勝率が5割を切る可能性が大だ。今年、圧倒的な力でセ・リーグ3連覇を果たした広島が、2年連続して日本シリーズに出場できないという事態が起これば......この制度に対する批判は再燃するだろう。
長いレギュラーシーズンで決まった勝負を、興行的な理由でもう一度やり直そうというのがプレーオフの本質なのだろうが、不満や矛盾が出るのは当然である。
しかしこの制度により、長期にわたるリーグ戦を行なうプロスポーツの"アキレス腱"と言われてきた消化試合は大幅に減らすことができる。そういう意味では、ポストシーズン制はサッカーと違い、入れ替え戦のないプロ野球にとってできる限りの改善策と言えないだろうか。
さまざまな矛盾を抱えつつも、この制度がプロ野球にとって求められていることは、なによりもスタンドを埋める満員の観客が示している。
5 / 5