パ・リーグMVPは山川穂高か浅村栄斗か。
意義ある1票を投じてほしい

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 27年ぶりの開幕8連勝に始まり、4月18日の日本ハム戦では8点差を逆転勝ち、「山賊打線」が球団史上最多の771得点をマークするなど、10年ぶりの優勝を飾った西武には景気のいい数字がついて回った。

西武ライオンズの「山賊打線」を牽引している3番・浅村栄斗西武ライオンズの「山賊打線」を牽引している3番・浅村栄斗 ポストシーズンが控えるなか、気になるのは年間MVPに輝くのは誰か――。打線がチームを牽引したことを考えると、3番の浅村栄斗と4番の山川穂高が最有力候補だろう。

「ホームランは何本でもいいので、打つ本数よりタイトルを狙いたいですね。ここまで来たら」

 8月中旬にそう話していた山川は、いずれもリーグトップの46本塁打、121打点をマークし、打率も同11位の.280と数字的には一歩リードか(今季の成績は9月30日時点)。開幕直後の3、4月は打率.337・11本塁打・33打点で月間MVPに輝くなど、今季は長距離砲として強いインパクトを残した。

「本当は全試合ホームランを打ちたい。全試合ホームランを打ったときに、(初めて)よかったってなるんじゃないですか。何にも満足していないです。ムカつくことのほうが多い」

 全球フルスイングを理想とする山川は、開幕から4番を任されたことで現実にも目を向けるようになった。得点圏に走者がいる場合、時にフルスイングを封印するようになったのである。

「まずは一番いい結果を求めてホームランを打てる球を待って、それが来なかったらどうするか。その選択肢は何個か持って打席に入っています」

 3、4月はバットを構えてスイングを終えるまで、とにかく力一杯振っていた。だが、5、6月の打率が.236と不調に陥ると、ゆったりと構え、インパクトの瞬間に力を爆発させてバットをしならせるように変えた。方向的にはセンターに本塁打を狙い、タイミングがずれたらレフトかライトに飛ぶイメージだ。

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