2018.06.18

ホームラン歴代3位・門田博光の
「清宮幸太郎分析」がおもしろすぎる

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ゴールデンルーキー・清宮幸太郎(日本ハム)の動向に注目しているのは、マスコミやファンだけではない。NPB歴代3位の567本塁打を記録した希代のアーチスト・門田博光もその1人だ。

「久しぶりに見たい選手が出てきたわ」

現在、ファームで本塁打量産中の日本ハムのルーキー・清宮幸太郎 門田から清宮への興味を聞いたのは5月初め。2日に一軍昇格し、そこから連続試合安打を続けている頃だった。やがて “待望のプロ1号”の話になると、門田が「いつ出ると思う?」と尋ねてきた。

「そろそろでしょう」と、根拠のない曖昧な答えすると、門田は「西武戦やと思うとるんや」と返してきた。日本ハムの日程を確認すると、西武戦はそこから3カード目(5月15、16日)と離れていたが、その理由が面白かった。

「これだけ注目されているルーキーに打たれたくない、というのがプロのピッチャー心理や。そのなかで『打てるもんやったら打ってみぃ!』という感じで投げてくる投手がどこにおるか。外、外、変化球、変化球より、強気に攻めてきた球がちょっと甘いところに入ってきたら、それをガツンや」

 その頃、西武はパ・リーグの首位を走り、投手陣も開幕前の予想を覆し好調だった。そこで門田はもっとも攻めてきそうなチームを西武ととらえ、なかでも「主力クラスが投げてきたときはチャンス」と見立てたわけだ。

 現役時代、各球団のエースたちが血気盛んに投げ込んできたボールをことごとく弾き返した門田ならではの初アーチ予想だった。

 結果は……というと、門田と話をした2日後の京セラドームでのオリックス戦で、ディクソンから第1号を放った。

「西武じゃなかったな。外国人ピッチャーの真ん中あたりのスライダーか。日本人のピッチャーなら、ああいうボールはなかったと思うけどな」

 この第1号以降、清宮のバットは沈黙。打率も1割台にまで落ち込み、交流戦スタート直前の5月28日に二軍降格となった。

 ところが、降格初戦でいきなり2発を放つなど、ファームで本塁打を量産。6月17日現在、27試合の出場でイースタンリーグトップとなる13本塁打を放ち、高卒ルーキーとしては出色の数字を残している。