2017.12.25

苦悩のエース藤浪晋太郎に、
あの超ノッポ右腕が体験から伝える再生法

  • 田中将介●文 text by Tanaka Masayuki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

イップスではない」

 阪神タイガース・藤浪晋太郎はそう否定していた。しかし、明らかに自分の思い通りの制球はできていなかった。昨シーズン、そして今シーズンと自身は結果を残せず、チームもシーズン2位、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで敗退した。

今シーズン、わずか3勝に終わった藤浪晋太郎 一軍での登板数は激減、二軍での調整は2カ月にも及んだ。出口の見えない藤浪に首脳陣は頭を抱えた。そんな藤浪の苦悩に共感するのが、身長193センチの野球解説者、門倉健だ。

「190センチ以上にしかわからない気持ちというのがあるんですよ」

 門倉は、中日、近鉄、横浜、巨人といくつもの球団を渡り歩き、その後、アメリカ、韓国に渡った。日本に戻ると、クラブチームに所属して都市対抗野球にも出場。引退後は、韓国でコーチになり、現ソフトバンクのリック・バンデンハークを指導した。彼もまた197センチだった。

 今シーズンの藤浪は、右バッターへの死球が目についた。門倉が言う。

「右バッターの外角にひっかかったボールを投げることが多かった。それを修正しようとして、上体が突っ込み、腕が出てこない。開きが我慢できず、指先だけでボールを操作するから死球が増えるんです」

 これについては韓国時代のバンデンハークも、まったく同じことが起きていた。

「藤浪と同じクロスステップで、体が縦振りではなく、横振りの投げ方だったんです。下半身はぐちゃぐちゃで、コントロールはバラバラ」

 そんなバンデンハークを変えたポイントはどこにあったのか。