2017.11.08

優勝メンバーに育成出身が4人。
ソフトバンク、恐るべき弱肉強食の掟

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 ソフトバンクが地力を見せ、2年ぶりの日本一奪還から数日。大いに盛り上がった戦いを振り返りながら頭の中に浮かんだのは、千賀滉大、石川柊太、デニス・サファテの名前だった。彼らは今年の日本シリーズでソフトバンクが勝利した試合の勝ち投手だ。このうち千賀と石川は育成出身。つまり、ソフトバンクが挙げた4勝のうち3勝(石川が2勝)は育成出身の選手の勝ち星だった。

日本シリーズで2勝を挙げた育成出身のソフトバンク石川柊太 千賀は今年3月に開催されたWBCの日本代表にも選ばれるなど、ついプロへの入り口を忘れそうになるが、2010年に育成ドラフト4位でソフトバンクに指名された選手だ。このほかにも、先に挙げた石川(2013年育成ドラフト1位)。甲斐拓也(2010年育成ドラフト6位)、キューバ出身のリバン・モイネロも育成出身である。

 今回の日本シリーズでは実に4人の育成出身選手が、内川聖一や柳田悠岐といった年俸数億を超えるプレーヤーたちと並び、堂々の働きをみせていた。この事実こそ、過去のどんな常勝チームとも違うソフトバンクならではの強さを感じるのだ。

 日本シリーズ開幕前には両球団の総年俸(外国人選手を除く)が話題になった。ソフトバンクが12球団トップの42億800万円なのに対し、DeNAは12球団で最も少ない15億8622万円だったからだ。ただ、2勝を挙げた石川は500万円(DeNAの細川成也と同額)、甲斐も900万円と、ソフトバンクの主力選手だからといって誰もが高額のプレーヤーではない。