鳥谷敬の2000本安打達成で思う。投手の名球会資格は下げるべきか
阪神・鳥谷敬が9月8日の甲子園でのDeNA戦で井納翔一から右中間に二塁打を放ち、史上50人目となるプロ通算2000本安打を達成した。これで今シーズンの2000本安打達成は、荒木博雅(中日)、青木宣親(メッツ)、阿部慎之助(巨人)に次ぎ4人目となった。
9月8日のDeNA戦で史上50人目となる通算2000本安打を達成した阪神・鳥谷敬 ご存知の通り、プロ野球には"名球会"が存在する。昭和以降生まれで、投手なら200勝以上もしくは250セーブ以上、野手なら2000本安打以上(いずれもNPBでの記録を起点として日米合算できる)で入会資格を得ることができるのだが、たびたび議論になるのが「投手の入会資格」である。なかでも、200勝達成は至難の業と言わざるを得ない。
1978年に設立された名球会だが、それまでのプロ野球といえば、投手なら先発もしてリリーフでも投げるのが当たり前の時代。だからこそ、シーズン30勝以上だけでなく、42勝(稲尾和久)という想像を絶する大記録も生まれたわけだ。ところがその後、投手は先発、中継ぎ、抑えの分業制となり、中6日や中5日での先発ローテーションが確立。先発でシーズン20勝を挙げる投手は激減し、200勝の壁はより高くなった。
それを示すかのように、2000年以降で2000本安打を達成した野手は27人いるのに対し、200勝達成した投手は工藤公康、山本昌、黒田博樹の3人しかいない。
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