どん底ヤクルトにも希望はある。ツバメの卵がようやく孵化し始めた
今年のヤクルトから明るい話題を探すのは難しい。川端慎吾、畠山和洋、雄平、バレンティン、大引啓次、中村悠平といったレギュラー陣が故障により相次いで登録抹消され、チームの柱である山田哲人も長く不振にあえいでいる。再建を予感させた投手陣もやがて疲弊し、10連敗以上を2度も喫するなど、現在セ・リーグ断トツの最下位に甘んじている。
しかし今、二軍から這い上がってきた藤井亮太(4年目/29歳)、奥村展征(4年目/22歳)、山崎晃大朗(2年目/24歳)たちが躍動。チームにようやく"勇気"と"希望"が湧いてきた。
8月2日の巨人戦で1試合3安打を記録した山崎晃大朗 7月下旬、神宮球場の外野でプロ12年目の飯原誉士と山崎が並んでランニングをしていた。早出練習のティーバッティングの前のことで、遠目からでも会話しながら走っていることが確認できた。
「飯原さんには、自分の考えを持って、準備をして打席に入ることの大切さを教えてもらいました。坂口(智隆)さんもよく話しかけてくださるので、一軍でソワソワしている自分にとっては本当に助かっています」(山崎)
早出練習を終えた飯原にも声をかけた。
―― 連敗中、緊張感が保たれていたのはベテラン選手が積極的に若手に声をかけているからだと感じました。
「みんなで『今いる選手でなんとか走っていこう』と話し合いをしたなかで、僕にできるのは何かを考えたんです。若い選手に声をかけることで、彼らがやりやすい環境をつくれているのかはわかりませんが、今はうまいことできているのかなと。やっぱりチームがいい方向にいってほしいですし、勝たないと面白くないですからね」
1 / 7