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「史上最弱」から
「プロフェッショナル集団」へ。
侍ジャパン激動の1カ月 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Getty Images

"史上最弱か?"とも揶揄された、そんな侍ジャパンが本戦に入ると一変する。力強い戦いぶりで快進撃を続けていった。だがその陰で、小久保監督が「全員が納得するような起用はできないかもしれない」と言っていたように、選手たちはこれまで経験したことのないポジション、役割でのプレーを強いられた。

 オリックスの守護神・平野佳寿は、おもに先発投手のあと、1イニングを任された。特に、2次ラウンドのオランダ戦、キューバ戦は先発の石川歩、菅野智之が序盤から失点を重ねるなど、重苦しいなかでの登板だった。それでも平野は「こういうゲームでは絶対に点差を広げるわけにはいかない」と気迫のピッチングでチームに流れを引き寄せた。普段とは違うポジションでの起用ではあったが、「前半ということで気持ちの上で余裕を持ってマウンドに上がれるのかなと。初回からしっかり準備していました」と自分の仕事をまっとうした。

 侍ジャパンの代打の切り札となった内川聖一も、ソフトバンクでは不動の主軸である。その内川が代打の難しさについてこう語っていた。

「スタメンで出ているときは、4打席のなかで勝負できるというのがあるのですが、代打は1打席が勝負。結果を出さないといけない場面で登場するので緊張もしますし、難しさもあります」

 2次ラウンドのキューバ戦、同点で迎えた8回一死一、三塁の場面でこの試合2安打と当たっている小林誠司に打席が回ってきたが、小久保監督は代打に内川を送った。内川は追い込まれながらも犠牲フライを放ち、決勝点を挙げた。

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