ネット裏のMLBスカウトも騒然。千賀滉大が見せた「圧巻の32球」 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Getty Images

 プロも異次元と認める落差が、この日はしっかりと蘇っていた。

 試合後、千賀の今後の起用法について聞かれた小久保裕紀監督は、こう答えている。

「今の時点では2番手といいますか、第2先発でと思っています。うしろのピッチャーも、今日の牧田(和久)は昨日と違って非常に落ち着いていましたし、そういうバタバタしているところではないので、2番手でロングもいけるというところを任すことになると思います」

 2017年3月8日は「世界がKOHDAI SENGAを知った日」であるとともに、「日本が千賀滉大を知った日」でもあるだろう。

 すでに千賀のことをよく知っているプロ野球ファンからすれば、「何を今さら」と思うかもしれない。だが、筆者はなぜこれだけの投手が国民的な知名度を得ていないのか、不思議でならなかった。

 おそらく野球を見たことがない人でも、千賀の投球を見れば感じるものがあるに違いない。少年野球人口の低迷が叫ばれている今だからこそ、今年のWBCでひとりでも多くの日本人に千賀の投球を見てもらいたい。千賀滉大という投手には、それだけの価値がある。

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