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大田泰示、新天地で大いに語る
「プロ野球の世界でも一番になりたい」 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

「僕は、そこに甘えたくないんです。オレにはチャンスがあるから、また次に頑張ればいいや、なんて考えは絶対に甘い。栗山監督がそれだけの覚悟を持ってくださるのなら、僕もそれなりの覚悟を持っていかなきゃ......この1試合、この1打席、この1球に、自分のパフォーマンスを出し切らなきゃいけないんです。それが三振でも外野フライでも、自分のスイングをしっかりする。小っちゃいバッティングは絶対にしない。フルスイングをすることが自分にとっての覚悟だと思っています」

 アリゾナから名護へ移動してきたファイターズ。

 2月14日に行なわれた最初の紅白戦では、紅組の4番が中田翔、白組の4番は大田。19日に宜野座で行なわれたタイガースとの練習試合では、スタメンを外れた中田に代わって、大田が4番に座った。これが栗山監督からの大田に対するメッセージだった。

「ジャイアンツでダメだったときも、僕は手を抜かないようにしてきた。ふて腐れることはあったかもしれませんけど、練習や試合では誰かが見てくれている、僕が輝けるところは必ずあると信じてやってきました。僕は、自分が一番だと思いたいんです。田舎で一番うまかったと言われて、高校でも神奈川で一番だって言われて、プロ野球の世界でも一番になりたい。そのためにはまずチームで一番になりたい。でも、飛ばすことだけは一番だと思っていたんですけど、もう、練習でそこに負けた。大谷の飛ばす能力ってズバ抜けてすごいので、そこには負けたくないですね。いやぁ、バッティング練習の大谷、マジ、すごいっス」

 55番から44番、そして33番。背中が軽くなるたびに、背負わされていた余計な荷物も軽くなる。大田にゾロ目の背番号が似合うのは、でっかい体に秘められた底知れぬスケールを感じさせられるからだ。大田泰示、26歳。覚醒の日は近い── 。

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